食材特集!「納豆(なっとう)」について

食材特集!「納豆(なっとう)」について

概要

私達の身近にあり、健康に良いとされている「納豆(なっとう)」
独特な匂いが嫌いな人もいますが、好きな人にとってはこれぞ納豆という匂いで、あまり気にならないもの。

 

市販されている納豆にも色々な種類があり、豆の大きさも大粒・小粒やひき割りなど様々です。
付属しているタレも色々あり、人によってはタレを使わず、醤油や卵を入れるという人もおり、自分なりの好みに合わせた食べ方ができます。

 

仲むつまじい夫婦を「納豆のような仲」といったり、納豆を食べることで医者のお世話にならなくなる「納豆どきの医者知らず」という諺もあります。

 

今回はそんな納豆について。

 

納豆の歴史

八幡太郎義家昔から日本で食べられている納豆の発祥にはさまざまな説があります。
縄文時代に中国大陸から稲や大豆の作り方が伝わり、弥生時代頃には既に納豆のような食べ物が食べられていたと言われています。

 

弥生時代の竪穴式住居の床には藁が敷いてあり、当時の竪穴式住居は納豆菌が住みやすい適度に暖い環境でした。
大豆はそのまま食べるには堅く、基本的に煮豆にして食べられていたと考えられており、この煮豆が床に敷いた藁の上にこぼれて、偶然発見されたのではないかという説。

 

また、平安時代後期の武将である八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)こと源義家(みなもとのよしいえ)と納豆にまつわる説もあります。

 

当時、馬の飼料には大豆が使われており、大豆を煮て乾燥させたものを俵に詰めて運んでいました。
奥州の豪族・清原家衝(きよはらのいえひら)との戦となる“後三年の合戦”が予想以上に長引き、馬の飼料として急遽、農民たちに大豆を差し出させました。

 

慌てた農民たちは煮た大豆をよく冷まさずに藁に詰めて差し出しました。
数日後、藁の中から匂いがしだし、これを食べてみたところ美味しかったので、それ以降は兵士たちの食料として重宝されるようになったといいます。

 

江戸時代になると醤油が安く手に入るようになり、納豆も庶民たちから高い支持を得ました。
朝には納豆売りが、「なっと、なっと、なっと~」という掛け声を発しながら売り歩き、「納豆と蜆(しじみ)に朝寝おこされる」という川柳も残っています。

 

名産地

秋田県

横手城秋田県横手市にある金澤公園には納豆発祥の地とされる碑があります。
先に述べた”後三年の合戦”があった地として知られており、納豆発祥の地と言われています。

 

秋田県には納豆を販売する企業が多くあります。
納豆屋「ふく屋」さんが本社を置いており、純国産高級大豆を使用した日本一高い納豆などを販売しています。

 

また、株式会社ヤマダフーズの業務用納豆は国内シェアの7割を持っており、納豆業界の最大手と言えます。

 

茨城県

水戸黄門様御一行茨城県の水戸市といえば納豆という位、全国的に知られています。
また、納豆の消費量が日本一の県でもあります。

 

特に「水戸の小粒納豆」は全国的に有名で、毎年3月10日の”水戸の日”には納豆早食い大会が開催されています。
水戸市のマスコットキャラクター「みとちゃん」も納豆と黄門様がモチーフになっており、好きなものはもちろん納豆。

 

納豆を販売している企業や工場も多くあります。

 

熊本県

加藤清正熊本県の納豆の消費量は全国でもトップレベル。
西に行くほど納豆の消費量は減ると言われていますが、熊本県では年間1人あたり約40パックと東京並みに食べられています。
全国平均は35パックなので、結構な量の納豆が食べられていると言えます。

 

熊本県では「コルマメ」という納豆があります。
その昔、加藤清正が豊臣秀吉の命を受けて朝鮮に出兵しました。

 

加藤清正率いる熊本の部隊は、まずは中国へ渡ることに成功しましたが次第に食料難に陥り、塩と持参した豆と馬を分け合って飢えをしのいでいました。
そして、食べ残した煮豆は干しみそと一緒に俵に詰めて、馬の背に載せて進んでいると、辺りに香ばしい匂いが漂い始めます。

 

馬の体温で発酵し始めた煮豆を試しに食べた加藤清正はこれを「香ばしい、香ばしい」と言いながら食べ、これが次第に「香の豆」と呼ばれ、現在の「コルマメ」になったと言われています。

 

効果・効能

癌リスクの低下

大豆納豆に使われている大豆にはイソフラボンが含まれています。
イソフラボンには抗酸化作用や抗腫瘍効果があり、納豆は癌の原因になる活性酸素を除去する効果もあります。

 

納豆には納豆菌、オリゴ糖、食物繊維が含まれており、これらが腸の善玉菌を増やし、悪玉菌の働きを抑制してくれます。
そのため、大腸がん・乳がん・前立腺がんといった癌リスクを低下してくれます。

 

 

育毛効果が期待できる

髪歳を重ねると気になるのが髪の毛のこと。
抜け毛の原因は遺伝やストレスにあるとも言われていますが、食生活や運動不足からくる栄養不足や動脈硬化も抜け毛の原因となります。

 

栄養が不足していたり、栄養を髪に運ぶ為の血の廻りが悪いと抜け毛の原因になります。

 

納豆や大豆に含まれているイソフラボンは、エストロゲンという女性ホルモンと同じような働きをします。
男性ホルモンが多いと体毛が濃くなる一方で髪は薄くなってしまいますが、女性ホルモンは髪を美しく保ってくれます。

 

イソフラボンを摂ることで男性ホルモン抑制し、抜け毛を抑える効果が期待できます。
また、キムチなどに含まれるカプサイシンとも相性が良く、末梢血管の血流が促進されて栄養が髪に届きやすくなります。

 

とはいえ、カプサイシンは刺激物の一種なので摂り過ぎは却って抜け毛の原因になります。
イソフラボンも過剰摂取は月経不順や乳がん発症、がん再発のリスクを高める可能性があります。

 

骨を丈夫にする

ティラノサウルス慢性的にカルシウムが不足していると言われている現代人。
人はカルシウムが不足してしまうと、骨が折れたり、骨粗鬆症(骨粗しょう症)の原因になります。

 

大豆にはカルシウムが豊富に含まれており、骨を丈夫にしてくれます。

 

また、納豆のネバネバにはポリグルタミン酸が含まれており、これがカルシウムの吸収を促進してくれます。
納豆菌にはカルシウムを骨に吸着させるビタミンKを作る効果もあり、より効率よくカルシウムを摂取できます。

 

血圧を下げる

血圧計動脈硬化や脳卒中、心臓病などの危険性もある高血圧。
大豆にはたんぱく質が豊富に含まれており、たんぱく質が体内に溜まった余分なナトリウムを体外に排出し、高血圧の原因である塩分のとりすぎを防いでくれます。

 

また、納豆にはナットウキナーゼという酵素の一種が含まれています。
ナットウキナーゼは血の廻りを悪くする血栓を溶かす効果があり、血の流れをスムーズにして高血圧の予防に期待できます。

 

 

保存方法

納豆は腐りにくい食べ物です。
そのため、賞味期限が1日2日過ぎた程度であれば問題なく食べることができます。

 

冷凍保存しておくことも可能で、食べる前日に冷蔵庫へ入れて自然解凍すると翌日に食べられるようになります。
ただし、あまり長期間冷凍保存すると旨味が無くなっていき、電子レンジなどを使って解凍すると著しく味が落ちます。

 

あまり長期間冷蔵保存をしていると納豆菌以外の雑菌が発生しだし、アンモニア臭が漂い始めるので冷蔵で保存する場合も早めに食べきってしまいましょう。

 

美味しい食べ方

ピーナッツ納豆

市販の納豆をかき混ぜて、付属のタレや醤油で食べるという人は多いでしょう。
納豆は色々と自分なりにアレンジをして食べることができるので、自分なりにこだわることができるのが良いですね。

 

少し変わったものだと、納豆にピーナッツを入れるというのもあります。
少しだけ潰したピーナッツを納豆に入れるだけという簡単なもので、納豆の粘り気とピーナッツの食感で普段の納豆とは違った食感が楽しめます。

 

タレを入れなくても素材のままの味を楽しめるので、納豆を食べる際には一度試してみるとクセになるかもしれません。

 

かぶ納豆

中々使うことが少ない野菜のひとつである「かぶ(蕪)」
煮物や味噌汁・シチューの具材に使用されることが多く、生で食べる習慣はあまりありません。

 

そこで、すりおろしたかぶを納豆と混ぜてみましょう。
かぶの甘みとまろやかな舌触りで、優しい味の納豆になります。

 

かぶは大根と比べると甘みがあり、すりおろしても辛みがないため納豆とも相性の良い食材です。
栄養素も大根とほぼ同じで、ビタミンCが多く含まれています。
風邪の予防や疲労回復、肌荒れに効果が期待でき、胃への負担も軽減できます。

 

納豆と豆腐の豆乳スープ

身体が冷えた時や朝に「納豆と豆腐の豆乳スープ」がオススメです。

 

鍋に水と豆腐、コンソメを入れて煮立たせます。
次に豆乳を入れて、温めすぎないように表面がふつふつとなる程度まで温めて、火を止めます。

 

50回ほど納豆をかき混ぜてから鍋に納豆を投入。
豆腐が崩れないように混ぜて、納豆の粘り気でスープにとろみがついたら完成。

 

優しい味で、心も身体も温まります。

 

まとめ

人によって好き嫌いの分かれる納豆。
好きな粒の大きさも人によって異なります。
食べ方もタレ、醤油、卵など様々で、カレーに入れても美味しいです。

 

昭和の美食家・北大路魯山人は、納豆はかき混ぜれば混ぜるほど味が美味しくなると提唱しており、タカラトミーアーツが発売している究極の納豆を作れる「魯山人納豆鉢」は、科学的検証に基づいた最も美味しくなる回数である「424回」もの回数を倍速で納豆をかき混ぜることのできるアイテムです。
テレビ番組でも紹介されることもあり、納豆をよく食べる人は試してみる価値があります。

 

納豆は素材に大豆を使用しているだけに栄養価は高く、大豆は「畑のお肉」と言われています。
大豆に含まれているイソフラボンの効果に期待している人は多く、お菓子などにも含まれていることがあります。

 

何かと有用な効果が期待できるイソフラボンですが、過剰摂取にならないようにバランスの良い食事を心がけましょう。


2016/7/4更新

都道府県で選ぶ

page top