概要
冬の時期にあたる12月~1月でも魚が美味しい時期です。
この時期が旬の魚も脂がのっており、体が温まる鍋にもピッタリ。
カキやホタテ、カニなど冬の時期ならではの味覚も多くあります。
夏が旬の『6月~8月編』、秋が旬となる『9月~11月編』と紹介してきましたが、今回は冬の時期が旬となる魚をご紹介します。
12月~1月が旬の鮮魚
マダイ(真鯛)
日本では何かと珍重されるマダイ(真鯛)ですが、海外ではあまり食べる習慣は無いようです。
タイといえば基本的にはマダイ、チダイ、キダイを指していますが、”タイ”と名の付く魚は200種以上もあります。
マダイ、キダイは冬から春の時期が旬で、養殖産は脂がのっており、天然のものは身がしまってコリコリとした食感を楽しめます。
味に癖がなく、刺し身以外にも煮物、焼き物、蒸し物、鍋物など様々な調理方法で美味しくいただけます。
旨み成分となるグルタミン酸、イノシン酸といったアミノ酸が多く含まれており、良質なタンパク質も多く含んでいます。
脂質が少ないのでカロリーも低めです。
また、消化吸収が良い食材なので、高齢者の方や離乳食にも適しています。
アマダイ(甘鯛)
アマダイ(甘鯛)は、タイと名前に入っていますが実はスズキの仲間で、アマダイ科に分類されます。
高級魚として昔から扱われている魚で、京都では「グジ」呼ばれ懐石料理などで使用されています。
また、福井県の若狭では「若狭ぐじ」、静岡県ではキアマダイを「興津ダイ」と呼ばれています。
主にシロアマダイ、アカアマダイ、キアマダイの三種が市場に出回っています。
その名の通り身に甘みがあり、美味しい魚です。
癌予防、アレルギー症状の改善が期待できるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)の他に、動脈硬化を予防するパントテン酸、貧血を予防する葉酸やビタミンB12、カルシウムなどを含んでいます。
身は淡白ですが柔らかく水っぽいため焼き魚や干物にして食べられています。
ヒラメ(鮃)
左右の眼が体の左側に寄り集まっているヒラメ(鮃)。
カレイと見間違えることが多く、腹を手前にして置いた時に頭が左に位置するのがヒラメです。
個体によっては体長が1mを超えるものも存在し、長崎県では大きいサイズのヒラメを「座布団」と呼んでいます。
ヒラメは冬の時期が最も脂がのり、身も締まるので美味しい時期です。
近年では養殖産や輸入物も多く出回っており、時期を問わず美味しいヒラメが食べられるようになりました。
特に、ヒレのつけ根の部分は“えんがわ(縁側)”と呼ばれ、甘みや歯ごたえがしっかりとした高級部位となっています。
良質のタンパク質を豊富に含んでおり、消化も良いため、ダイエットにも適しています。
えんがわ部分にはコラーゲンも豊富で、美容にも良い魚です。
ブリ(鰤)
“出世魚”であるブリ(鰤)は、冬の時期に最も脂がのり美味しくなります。
そのため、冬の時期に穫れたブリを“寒ブリ”と呼びます。
関東では、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと呼ばれ、関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリと呼ばれています。
能登地域ではツバイソ(こぞくら)→フクラギ→ガンド→ブリと他とは変わった呼び方をしています。
養殖されたブリは特に脂がのっており、照り焼きや刺し身に向いています。
ブリは青魚と呼ばれる中でも栄養面に優れており、カルシウムやリンの吸収を助けるビタミンDも豊富に含まれています。
アルコールの分解に効果的なナイアシンも豊富で、お酒のツマミにもぴったりの魚です。
マハタ(真羽太)
近年では養殖も盛んに行われているマハタ(真羽太)。
写真のキジハタやアカハタ、キハタなどの仲間もおり、それなりに良い値段で売られてます。
マハタは最初は雌として子を持ち、成長して大きくなるとすべて雄に性転換するという変わった魚です。
通年で水揚げされ、市場にもよく並びますが、やはり冬場の時期は脂がのっており、鍋にすると美味しいです。
夏場には刺身や焼き魚にして食べると良いでしょう。
マハタには、たんぱく質や脂質、ミネラルなどが多く含まれています。
特に皮にはビタミンAとビタミンDが多く含まれており、美肌効果や免疫力を高めて風邪などにかかりにくくなるといった効能が期待できます。
まとめ
冬の時期には夏とは違う魚に脂がのり、違った食感や味を楽しめます。
鍋とも相性の良い魚が多く、良い出汁にもなり、より美味しい鍋を食べることができます。
高級魚やちょっと値の張る魚も出回ることが多く、冬の時期が楽しみな人もいるのではないでしょうか?
養殖産と聞くとあまり良いイメージはないかもしれませんが、天然ものとはまた違った風味などを楽しむことができ、寄生虫への心配も減るといったメリットもあります。
養殖産と天然ものを食べ比べて、その違いを探して見ても面白いでしょう。