概要
私達の食生活の中で、身近にあり、色々な料理に使用されている「乳製品」。
乳製品とひと口にいっても様々な種類があり、飲用乳、クリーム、バター、チーズ、アイスクリーム類など非常に多くあります。
料理だけでなく、お菓子作りにも使用されたり、私達の食生活には無くてはならない素材です。
栄養もあるため、幼少の頃から摂取することを進められ、特にカルシウムは子供の成長にとって欠かせない栄養素です。
今回はそんな「乳製品」について知っていきましょう。
「乳製品」の歴史
乳製品のひとつである「ミルク」は、本来は哺乳動物が自分の子供を育てるために必要なものです。
古くは今から、およそ1万年前のメソポタミアでホモ=サピエンスが羊の肉を効率良く手に入れるために羊を家畜化したことに始まります。
この時から、羊のミルクを利用し始めました。
また、トルコを中心とした中東地域では、約6,500年位前に牛に犂(すき)を引かせる農耕方法を発明しており、この頃から肉や牛乳・皮などの生産以外に労働力として活躍していたといわれています。
インドなど常に気温の高い地域では、ミルクは腐りやすく、当初は神への捧げものとして扱われていました。
その後、王族や貴族の限られた人の貴重な飲料として飲まれるようになりました。
日本では飛鳥・平安時代に医学書や経典と一緒に、牛乳の薬効や牛の飼育法が書かれた書物が百済から入ってきました。
孝徳天皇に献上された牛乳は大変喜ばれ、健康維持や病気の回復に薬用として重宝されました。
名産地
北海道
広大な大地が魅力のひとつである北海道は海産物が美味しいと評判ですが、酪農も盛んで、全国の生乳生産量が第1位です。
北海道を拠点に全国展開しているメーカーも多くあります。
その生産量は凄まじく、約400万トンにも上ります。
一方で、牛乳離れが進む現代では「ミルクランド北海道」というキャンペーンも行われており、牛乳消費拡大運動が行われています。
乳の張った乳牛をそのままにしておくと病気になってしまい、乳のでない乳牛になってしまうため、捨てると分かっていながらも生産する必要があるのです。
そういった状況を少しでも改善するため、牛乳消費拡大運動が行われました。
神奈川県
神奈川県は全国で生乳・加工乳の生産量第2位の県で、約177万トン生産しています。
神奈川県は独自のラーメンが人気で、横浜家系や平塚のタンメンなどが有名です。
そして、元ボクサーによる老舗ラーメン店「こぐま」で提供されている「牛乳ラーメン」は、創業当初からの人気メニューとなっており、全国的にも有名になりました。
ボクシングジムの一角で生まれた牛乳ラーメンは、牛乳特有の臭みはせず、体に染み込むようなまろやかな味となっています。
愛知県
牛乳の生産量第3位の愛知県では約172万トン生産しています。
東海地方では高い知名度があった「名古屋牛乳」は、戦後に大きなシェアを占めていました。
しかし、2014年3月で生産終了となりました。
他にも昔から親しまれていた地元の「昭和牛乳」や「みどり牛乳」も撤退してしまい、愛知県の牛乳業界に激震が走りました。
しかし、そんな状態にも負けず現在は渥美半島・知多半島を中心に牛乳が生産されています。
保存方法
10℃以下で保存
乳製品は一度パックや袋を開けてしまうと賞味期限に関係なく中身が傷んだり、カビが発生しやすいものです。
そのため、どの食品のパッケージにも「”できるだけ早く”お召し上がりください。」と記載されています。
牛乳類、ヨーグルト類、クリーム類、チーズ類、マーガリンを保存する場合は、10℃以下で保存します。
これらはバター、ピッツァ用チーズなどのように冷凍用に調節されていません。
そのため、冷凍ではなく冷蔵で保存します。
また、臭いが移りやすく、他の臭いが強い食品の側に置かないように注意しましょう。
開封後、普段とは違う臭いや酸味・苦味がする場合は特に注意が必要です。
その場合、捨てることになるので、早めに消費してしまいましょう。
-18℃以下で保存
冷凍食品、アイスクリーム類は-18℃以下で保存します。
冷凍保存用に調節されており、比較的長期で保存できます。
一度解凍後に再凍結を行うと食品の品質が落ちてしまい、味や食感も落ちてしまいます。
解凍方法は、食品ごとの説明者を読んで下さい。
常温で保存
パルメザンチーズは基本的には常温で保存できます。
涼しく、乾燥した場所に置いておきましょう。
一部の生タイプのパルメザンチーズは冷蔵で保存します。
通常のパルメザンチーズの場合は、冷蔵で保存すると容器の中に結露が発生してしまい、中のチーズが固まる原因になります。
そのため、常温保存が望ましいです。
効果・効能
牛乳は栄養バランスが良い
学校の給食や日常的に飲んでいる人が多い牛乳。
牛乳にはカルシウムはもちろん、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンがバランス良く入っています。
これらは人間が活動するのに必要な栄養素で、牛乳はまとめて摂取することができます。
また、牛乳にはカルシウムも豊富に含まれています。
コップ1杯(200ml)の量で成人の1日に必要なカルシウム量の約3分の1を摂取することができます。
日本人のカルシウム不足が叫ばれて久しいですが、カルシウムが成長期に不足すると成長が抑制され、骨粗鬆症の原因にもなります。
また、カルシウムは脳神経の興奮を抑える働きがあり、カルシウム不足が続くとイライラしやすくなってしまいます。
栄養が豊富なチーズ
チーズは牛乳を原料にした食品です。
チーズ100gを作るのに必要な牛乳の量は10倍の1000mlもの量が必要になります。
そのかわり、チーズ20gでコップ1杯分の牛乳を飲むのとほぼ同様のことが言えます。
チーズならそのまま食べても良いですし、料理にも使いやすいので、日常的に手軽に食べられます。
チーズは原料乳の種類や製造方法などによって様々な種類があり、その数は1000種類を超えるといわれ、栄養成分もそれぞれ異なっています。
特にパルメザンチーズは、カルシウムやたんぱく質、脂肪が多く含まれています。
ヨーグルトで美容改善
ヨーグルトには腸内環境を整えてくれる乳酸菌やビフィズス菌が含まれています。
腸内の中の悪玉菌を抑え、腸を刺激してくれるため、便秘の改善に繋がります。
悪玉菌が減るとニキビや肌荒れの原因の有害物質の発生も減り、美肌に一役かってくれます。
また、心臓病などの生活習慣病の元となる悪玉コレステロールをプロバイオティクス細菌の効果で減らすことができます。
脂肪の代謝を促すビタミンB2も豊富に含まれており、ダイエットにも一役かってくれます。
美味しい食べ方
ミルクジャム
賞味期限間近なのに牛乳が大量に余っている、そんな時にはミルクジャムを作ってみても良いでしょう。
通常は牛乳、生クリーム、砂糖を鍋に入れて煮詰めて作りますが、時間も手間もかかります。
ですが、電子レンジなら手軽にミルクジャムを作ることができます。
牛乳 200cc、砂糖 40g、蜂蜜 大さじ1をボウルに全て入れ、かき混ぜます。
その後、600wのレンジで大体2分30秒ほど加熱したら一度取り出して、かき混ぜ、再び500wで5分30秒~6分程度加熱します。
とろみが付いたら完成です。
温度が冷めると若干粘度が増すので、少しサラッとしてる程度がちょうど良いです。
要冷蔵ですが、固くなってしまった時は牛乳を少量入れて、レンジで数秒ほど加熱すると柔らかくなります。
ほうれん草チーズグラタン
チーズは料理やお菓子によって使用する種類がことなります。
スーパーやコンビニで手軽に購入できるチーズといえば、スライスチーズです。
料理に使いやすく、パンに挟んだりと自分が使いたい量を簡単に調整できるのが良いですね。
もう一品欲しい時には、ほうれん草チーズグラタンがオススメです。
グラタン皿にオリーブオイルをキッチンペーパーで塗り、茹でて水気を切ったほうれん草をウインナーを交互に乗せていき、最後にチーズを少し多めにのせます。
オーブンで15分ほど加熱し、きつね色の焦げ目がついたら完成です。
手軽に作ることができ、チーズの量も自分で調節できます。
アイラン
トルコではヨーグルトを使用した料理や飲み物が多いです。
アイラン(Ayran)と呼ばれる、飲む塩ヨーグルトをトルコ人は毎日飲んでおり、夏にピッタリのドリンクです。
冷やしたヨーグルト52gに水48gを入れ、塩(天然塩)を1g入れて良く混ぜ合わせるだけ。
本場トルコのアイランはふわっとした泡が浮いています。
塩の量が多すぎるとしょっぱくなり、足りないと風味がでなくなるので多く作る場合は、少しずつ調節しながら作りましょう。
レモン汁を加えても良いですね。
まとめ
乳製品は種類が多く、料理にも欠かせない存在です。
また、ヨーグルトはそのまま食べても美味しいですが、塩を加えることで乳酸菌が活性化します。
そのため、栄養面だけでなく、美容にも良いヨーグルトは特に女性にオススメです。
ヨーグルトを使用したトルコ料理なども覚えてみても面白いかもしれません。
牛乳に関しては現在様々なことが言われてますが、短時間であまり多くの量を飲むとお腹の調子が悪くなる恐れがあります。
どんなものも過剰摂取はよろしくないということでしょうね。